足利事件の菅家利和さん(63)は21日、再審第4回公判の閉廷後、記者会見し、「自分の声をきくのは本当につらい。でも『無実』を聞いてもらいたいために、傍聴席の人に聞いてもらった」と終始、険しい表情を崩さなかった。
この日は、テープの再生が始まって間もなく、気分が悪くなり、一時、法廷を出たが、計6時間、18年前の自分の声を聞き続けた。
会見でテープの感想を聞かれると、「どうしてあんなことをしゃべったのか、今思うと、自分の気が小さかったのかなと思う」と顔をしかめた。22日には4本目のテープ再生と、取り調べを担当した森川大司・元検事の証人尋問が行われるが、「言いたいことは山ほどある。今日は我慢して黙って聞いていた」と話した。
宇都宮地検の高崎秀雄次席検事は、公開されたテープについて、「森川検事が語気を荒らげたり、自白を誘導したりする場面はなかった」とした上で、「自白の任意性や、捜査の違法性についての問題はなかった」と話した。
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菅家さんの弁護団は法廷でテープが再生された後、報道機関にテープの複製を配布する考えを示していたが、21日の開廷前、配布を見送ると表明した。
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